2014年10月17日

≪ 虎の威を借る狐 ≫


虎、獣の己を畏(おそ)れて走るを知らざる也。おもえらく狐を畏るる也と。

〈虎は獣たちが自分を恐れて逃げるのがわからない。狐を恐れているのだと思い込んだ〉

「虎の威を借る狐」の出典がこれである。あるとき楚の宣王が群臣にたずねた。「北方の諸国は昭奚恤(しょうけいじゅつ)を恐れているということだが、実際はどうなのだろうか」すると江一(こういつ)(江乙)がつぎのように答える。

「あるとき虎が狐を捕らえて食おうとすると、狐は、「自分は天帝から百獣の王の位を授けられている。私を食うのは天帝にそむくことになる。うそだと思うなら、自分が前を行くから、後からついてくるがよい。獣たちが、皆、恐れてにげるかどうか、よく見ておけ」と申しました。

虎を後ろに従えた狐が行くと、獣たちは、虎を恐れて一斉に逃げ散りましたが、虎は自分が恐れられているのがわからず、狐が恐れられていると思ったのでございます。
いま王様は楚国の五千里四方の国土、百万の兵力を、もっぱら昭奚恤に預けておられます。北方の諸国が昭奚恤を恐れているというのは、じつは王様の軍事力を恐れているのでございます」

江一はお伽話にことよせて、有力者への過度の権限・勢力の移譲によってトップの影が薄くなる危険をやんわりと警告したのである。





posted by 吉野山ユッキー at 18:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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